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大都会の東の外れにあるというそのガレージ。看板も受付も、ましてやショールームもない店構え。ショップに行ったら勇気を振り絞ってメカニックの人に声をかけてみよう。運が良ければオーナーに会えるかも。
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隠れ家的なガレージながら、規模と内容の濃さではどこにも引けをとらないだろう。
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整備中の内の二台、フェラーリ308、ジャガーEタイプ。その他ランボルギーニ・カウンタック、F355なども。
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パトリックさんの愛車のランボルギーニ・ミウラP400S。
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自分のガレージを立ち上げて2年後の91年、会社としてのアウトストラーダがオープンする。
「やるからには、専門的で良心的なワークショップにしたかった。アウトストラーダの商品車は、最低3千キロ6カ月保証しています。」
と氏は語る。
例を挙げると、アウトストラーダの商品車は他社より若干高めな価格設定となるが、専門ショップである為、エンジン駆動系、足回りブレーキ、電気系統、内装とボディに最善の注意と整備が施されている。保証とアフターケアにより乗り出しの安心と機能性が伴う。販売のみならず定期メンテナンスから修理、フルレストアまで手掛ける総合ショップなのだ。
「あらゆるコンディションの中で、安心して走行できるようにするのがショップの責任だと思います。当社はショールームではなく、ワークショップです。熟練したメカニックが直接お客様のニーズに対応します。だから顔の見える整備が出来ますし、お客様の細かいニュアンスも私たちに伝わるのです。」
カワスジー氏はディノ以外にもランボルギーニ・ミウラP400Sを二台所有している。
なぜ性能も上で年式も新しいSVではなく、Sが二台なのか。
「この車のデザインは40年前のものですが、時代を感じさせないとともにアールデコの香りもする。初期型のP400は475台生産され、その後オリジナルデザインを維持しつつ、機能的な改良が加えられたP400Sはわずか140台の生産。後期型P400SVは150台生産され、さらに改良がされたがデザイン変更も加えられ、オリジナルのミウラのルックスが失われた部分もあります。私はオリジナルコンセプトデザインのピュアなラインにこだわると先ほども言ったように初期のデザインを維持したSにこだわるのです。」
自分の明確な哲学を持っているオーナーに所有される車は幸せである。
「アメリカの友人がニューポートビーチのガレージで気軽に集まれるオーナーズクラブを作ったんですよ。そのようなコンセプトも持ちつつ自分もこのガレージを作った頃は、お客さんと集うイベントを行っていました。ショップでの軽食会や日帰りの走行会などを行っていました。その後本業が忙しくなったので、このようなイベントもなかなか成立しなかった時期が続きました。
また始めたいのですが、今はガレージの隅にテーブルをおいて車談義できるようにしています。ホイールやタイヤも椅子替わりにしてコーヒーを飲みながら歓談しているんです。」
と楽しそうに語るカワスジー氏。
最後に聞いてみた、氏にとってエキゾチックなスポーツカーとは、と
「私が学生の頃(60年〜70年代)に憧れたデザインと機能性が個性的でスパルタンなヴィンテージスポーツカー」
僕らは今、本物のエンスーを目の前にしている。
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